レーザ光を集光させて対象物に照射し、非接触で局部的な溶融などを行う装置です。YAG レーザ装置は、YAG 結晶へ微量のネオジムなどを添加した結晶体に、強い励起光を照射して得られるレーザ光で微細接合などの加工を行います。
低出力から高出力まで安定したレーザ発振が可能です。30W から 600W まで、多様な出力の製品をラインナップし、用途に合った機種が選択できます。
同時分岐・時間分岐の選択や、時間差の同時2分岐の選択も可能で、FA 化の際に効率化へ寄与。
型式 | OLY-0525S | OLY-0625S | OLY-0725H | OLY-1025H |
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最大出力 | 50W | 60W | 70W | 100W |
最大エネルギー | 50J/P | 60J/P | 70J/P | 70J/P |
発振波長 | 1064μm | |||
繰返周期 | 1~500PPS | |||
パルス幅 | 0.1~50.0msec | |||
最大分岐数 | 同時4分岐/時間4分岐 | |||
冷却方式 | 空冷/水冷 | |||
外形寸法 | W685×D900×H955 (mm) | |||
電 源 | 三相AC200V±10% 20A | |||
重 量 | 295kg | 300kg |
YAG とは、イットリウム (Yittrium)、アルミニウム (Aluminum)、ガーネット (Garnet) の頭文字を取ったものです。YAG レーザは、YAG 結晶に微量の Nd (ネオジム) を添加した結晶体に強い励起光を照射することで得られるレーザ光 (波長:1.064μm) です。
金属に対する光エネルギーの吸収性が、CO2 レーザに優る。 | ⇒ | より少ないエネルギーで加工することができる。 |
光ファイバーでエネルギーを伝送できる。 | ⇒ | 柔軟なライン構築ができる。 |
発振源の YAG ロッドには経年変化がない。 | ⇒ | 消耗部品の削減と、安定した発振を実現できる。 |
レーザ溶接とは、レーザ光を熱源として主に金属へ集光した状態で照射し、金属を局部的に溶融・凝固させる接合方法です。
レーザ溶接装置の主な構成は、レーザ発振器・光路・集光光学系・駆動系・シールドガス系で構成されています。
レーザ溶接では、主にレーザ発振器として大出力化が進んでいる CO2 レーザと YAG レーザが用いられています。 発振器で発振されたレーザは光路を通じて集光光学系へ導かれますが、CO2 レーザの場合はミラーによる折返しで伝送され、YAG レーザの場合はミラーによる伝送 (固定光学系) 以外に光ファイバーによる伝送も用いられます。
集光光学系は放物線面鏡や集光レンズ等で構成されており、伝送された光が適切なサイズへ集光されます。
集光されたレーザは、ワークに照射し溶接を始めますが、溶接金属部の酸化等を防ぐために通常はシールドガス (アルゴン・ヘリウム・窒素) を溶接金属部分へ吹付けながら行います。なお、スピードファムでは、吹付専用のノズルを準備しております。
レーザ溶接の対象物は、電子部品・機械部品・自動車部品などで、微細加工から厚板溶接まで幅広い分野で活用されております。
ワーク加工点の目視確認が可能な光学系ユニットです。
コンパクトなので既存ラインへの置き換えが容易で、焦点距離は、40、50、70、90、120、150mm から選択可能です。(特殊仕様も対応可能)
ワーク加工点の確認が目視で難しい場合に、CCD カメラによってモニター確認ができる光学系ユニットです。
微細加工の位置合わせが容易であり、FA 化における画像認識にも利用可能です。
照明は同軸落射ファイバ照明、リング照明、サイドファイバ照明から選択することができる製品で、焦点距離は、40、50、70、90、120、150mmから選択可能です。(特殊仕様も対応可能)
なお、集光性能の高いレンズユニットを搭載した出射ユニットも取り揃えております。
光ファイバーの種類
ステップインデックスファイバ (SI ファイバ) | グレーテッドインデックスファイバ (GI ファイバ) |
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SI ファイバコア径 [φ0/1/0.2/0.3/0.4/0.6/0.8/1.0/1.2mm] |
GI ファイバコア径 [φ0/1/0.2/0.3/0.4/0.6/0.8/1.0/1.2mm] |
選択方法
光学系の中には、レーザ光をそのままレンズで絞る固定光学系と、光ファイバーを使用するファイバー光学系とがあり、それぞれ下記の特徴があります。
固定光学系
スポット径を 100μ 以下にする場合に適している。
ファイバー光学系
レーザ溶接においてはワークの固定が重要ですが、最近では微小部品の加工も多く、ワークの位置決めが難しくなってきています。ワークに厚みがあれば多少の隙間は許容されますが、薄物では確実な密着が必要で、少しでも隙間がある状態で溶接すると、ワークに穴が開く可能性があります。自動機の場合、確実にワークの位置決めを行わないとトラブルの原因になります。逆に、適正な冶具があれば、溶接条件を出すことは難しくなく、自動化も可能です。ワーク形状によってはワークを抑えるための専用治具を準備する必要があります。